夏バテで食欲不振になったときにおすすめ漢方

夏のお悩み

こんにちは~健康相談室のbunnyです🐇

今回は夏バテなどで食欲不振になったときにおすすめの漢方についてお話していきます。

暑い時期に食欲不振になるのはどうして?

暑い時期、ご飯が喉を通らない経験をした方も少なくないのではないでしょうか。夏バテによりご飯を食べてないのにお腹が空かない、空いていても食べる気にならないのには、自律神経の乱れが関係しています。冷房を使用することで室外と室内の温度差が大きいことや高温多湿により体への負荷が大きい暑い時期には特に自律神経が乱れることがありますが、この自律神経の乱れが原因で消化・吸収・代謝機能を低下させてしまい『脾(ひ)』の機能を低下させます。

漢方では『脾(ひ)』と呼ばれているこの言葉は現代では胃腸に近いため、胃腸機能の働きが低下すると考えると分かりやすいかと思います。夏バテになると食欲不振だけでなく無気力や倦怠感などの症状が出ることもありますが、このような『疲れ』の症状の根底にあるのは消化・吸収・代謝機能の低下であるといえます。からだが栄養を吸収しエネルギーを作り出すためには、消化・吸収・代謝機能を高めることが欠かせません

この消化・吸収・代謝機能を高めてくれるおすすめの漢方が補中益気湯です。

補中益気湯とは

この補中益気湯とは一言でいうと、夏バテで元気がなく食欲のわかない症状に効果的なお薬です。特に消化と吸収を促す作用が充実しているのが特徴で、胃腸機能を高める生薬が多く配合されているため胃腸にも優しく作用し、比較的継続して服用いただけます。

構成生薬

  • 消化吸収機能を高め疲労を改善する・・・黄耆、人参、白朮、甘草
  • 蠕動運動(胃から肛門まで食物を運ぶ)働きを助ける・・・陳皮、生姜、大棗
  • 栄養を補う・・・当帰
  • 活力や緊張を回復する・・・柴胡、升麻

夏バテで元気がない、やる気が起きない、食欲がない、動くとすぐ疲れるなどの症状がある方には特におすすめです。また、虚弱体質の方でも服用いただけるため、高齢の方などにも安心して服用いただけます。(もちろん一か月服用しても症状の改善がなければ体質や症状に合っていない可能性が高いため服用を中止してください)

おすすめポイント

補中益気湯には白朮が配合されていますが、この生薬は利水作用を併せ持つ蒼朮という生薬と比べても補気健脾(胃腸機能を立て直す作用)が充実しているため、消化・吸収を促す作用が充実しているということができます。

また、補中益気湯とは別名『医王湯』とも呼ばれており、配合されている黄耆、人参、白朮、甘草が胃腸機能を回復させ、エネルギーを補い疲れて元気が不足している状態(気虚)のからだを回復させる働きがあり、補気薬の代表処方であると言えます。

高麗人参に含まれるサポニン成分には抗疲労作用があるという報告があるため、冬の冷え対策で摂られることの多い高麗人参ですが疲れが溜まりやすい暑い時期にも効果的だということもできるでしょう。

まとめ

ただ、もちろん疲れにも様々な要因があるため補中益気湯が特におすすめできるタイミングとして、あるポイントで見分けることができます。それが『食欲不振』の有無です。

食欲不振がある場合にビタミン剤や栄養ドリンクなどの高栄養なものを摂取したとしても、胃腸の機能が低下していれば十分に吸収ができない可能性があるため、そのような食欲不振のある場合には今回ご紹介した胃腸の消化吸収機能を高めてくれる補中益気湯を選択してみるといいかもしれません。

自律神経が乱れる(胃腸機能も低下する)➡食欲不振(ご飯を食べない)➡からだに栄養が行き渡らない(もちろん胃腸にも)➡疲れがたまる➡胃腸が弱る➡消化吸収する力がさらに低下する➡さらに栄養が行き渡らずからだに不調が起きる

という悪循環に陥るため、はやめに対処してあげることが重要です。

今回紹介した漢方以外でも、胃腸機能を回復する成分が配合されたお薬でも構いません。夏バテ・胃バテの時に大事なのは、高栄養なものを摂れば治すことができるという考えではなく、まずは胃腸機能を回復させることです。考え方を間違えることのないようにしましょう!

以上、学生時代夏バテしていても無理やり食事をとることが正義だと思って詰め込んでいたbunnyでした~( ̄▽ ̄)